舞台は縁寿に移ります。
とある日、縁寿はメッセージボトルの存在を知ります。そしてそれを読んで、六軒島事件の真相を探ろうと試みました。縁寿は、兄の遺品整理中に発見した推理小説などを読んで、ノックス十戒というものを知りました。それを使えばメッセージボトルを解釈できるかもしれないと思いました。
さらに後日、「事件10周年特集を組んだ雑誌」が販売されているのを知りました。それはメッセージボトルの真実について解釈した物語が記されていました。
縁寿はそれを解釈しようと試みました。
これがEP5の内容です。どういうことかを説明する前に、まずはこれまでのEPの偽書やゲーム盤との関係性を記述します。
原文→ メッセージボトルや偽書など。
ゲームマスター→ 原文の解釈をする人。原文の理解者。論争の受け手
対戦相手→ 論争相手
ゲーム盤→ マスターが原文を解釈し、それを主張する物語
メタ世界→ その物語を巡っての論争
観測者→ メタ世界を俯瞰する人。朗読者と観測者が分かれる場合もあります。その場合、メタ世界を俯瞰する立場から、朗読者によって歪められた物語を観測するという役割になります
例えばEP1はこうなります。
原文→ メッセージボトル。真里亜が記した日記となっているため、真里亜の視点は事実。
ゲームマスター→ 幾子
対戦相手→ 戦人
ゲーム盤→ 幾子がメッセージボトルを解釈した物語
メタ世界→ なし
観測者→ 十八
分かりやすく説明する一例として、原文であるメッセージボトルに「10月4日、私はママや皆と船で六軒島に行きました」と書かれていたとします。マスターである幾子は、「戦人は乗り物が苦手らしいからな」などと言って、きっと行きの船ではこういう騒ぎになっていたでしょうという考えを語ります。この主張を物語にしたのが、EP1の最初シーンです。
これがEP5だとこうなります。
原文→ 夏妃の赤い日記帳から想像される、六軒島事件の真相を推理した内容の「事件10周年特集を組んだ雑誌」
ゲームマスター→ ラムダ(これは、この雑誌の推理を、メッセージボトルのストーリーになぞった物語にした、という意味)
対戦相手→ 縁寿
ゲーム盤→ 雑誌の内容をEP1のストーリー構成に組み込んだ物語
メタ世界→ 縁寿の推理と雑誌の対決が前半。後半戦人が来てからは、戦人対雑誌
観測者→ 十八
十八が観測者であるというのは、数十年後の未来の話です。観測者である十八は、その「事件10周年特集を組んだ雑誌」を見た上で、あの日の犯人が夏妃伯母さんであるとの主張と、そんな愛のない物語があの日の出来事だったなんて信じられるか、との思いの間でまた葛藤します。その葛藤が、魔女法廷での戦人とドラノール(エリカ)の戦いなのです。それは正に十八の中の戦人との戦いでした。そしてその戦いに戦人は負け、あの日の真実はそういった愛のない出来事があったのだろうと納得してしまいました。
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