まずはEP7のお茶会から真実を探っていきましょう。
内容はほぼ全て事件当日の事実を表しています。
ほぼというのは、絵羽が観測していない部分は絵羽の想像であり、それを縁寿が解釈した結果に過ぎないからです。絵羽が観測していない部分とは、絵羽が霧江に撃たれて気絶してから回復するまでの間の出来事です(余談ですが、戦人の思考も縁寿の解釈です。本当の戦人の思考ではありません。戦人の思考は絵羽が観測不可能だからです)。ではその間の出来事を推理してみましょう。
絵羽が撃たれてから直後、霧江は紗音を射殺します。しかし絵羽が気がついた後、その死体を発見していません。これで紗音は、この時点では死んでいないと推理できます(むしろ、撃たれてすらいないのでしょう。紗音が撃たれて吐血する描写を、絵羽は目撃していないので、幻想描写が可能であるということです)。では紗音は一体どうなったのでしょう?その生死は?
それを紐解く鍵が、EP7の本編の正体です。EP7のテーマは何だったでしょう。ベアトリーチェ殺人事件、その犯人は?です。
本編ではその犯人は、一人は理御、一人は紗音となっています。では紗音は自殺でしょうか?そうとも解釈できますが、もう一つ解釈が可能です。
クレル(紗音)の介錯を行ったのは誰だったでしょう?ウィルです。ウィルとは、お分かりとは思いますが、戦人です。戦人が紗音を殺した、そう解釈した縁寿が、それが答えだと観測者に(読者に、フェザリーヌに、つまり自分に)示した物語がEP7の本編なのです。
棺に死体がないのはそういうことです。ベルンは見てて笑いが止まらなかったでしょう。探偵気取りが事件を解決したように振舞っていながら、その実、犯人だったという物語を生みだしたのですから。
絵羽の日記には、どう記されていたのでしょうか。ここからは想像になりますが、おそらく絵羽は霧江を射殺した後、戦人と紗音の死体を発見したのではないでしょうか。背中を無残にザックリやられた戦人。その隣でなぜか死んでいる紗音。戦人は明らかに霧江の仕業に見えるが、紗音は一見して外傷はないなど、紗音の死については謎だったのではないかと思います。
そのような様子が日記には描写されており、縁寿は戦人が紗音を殺したと解釈したのではないでしょうか。この頃の縁寿は、世間の留弗夫一家犯人説に侵されていました。戦人だって悪人なんだという想いにとらわれてしまっていた時の朗読だからです。また、戦人殺害の犯行が霧江によって行われたとする描写は、EP8で縁寿が発狂するのに十分な事実であったのでしょう。
さて、実際はこの時何が起こっていたのでしょうか。まさにロミオとジュリエットとまったく同じ状況がなされたのではないかとするのが、最も自然な解釈だとは思いますが、私はそんな悲劇を認めたくありませんので、強引にでも違った解釈をしたいと思っています。
紗音は、戦人の死体を発見した後、ショックで気絶してしまったのではないでしょうか。その間に絵羽が戦人の死体を発見します。ゲストハウスは血の海ですから、その場に倒れている紗音を、死んでいると勘違いしてしまっても不思議ではないと思います。気を取り戻した紗音は戦人を救命し、復活させることに成功。その後2人は、潜水艦基地まで移動したという流れだと思います。
霧江が戦人を殺した。
戦人が紗音を殺した。
これらの解釈は、EP6~8の中で数多くちりばめられている伏線により、またEP4の戦人の”お前を殺す”などの発言から、事実だと認めざるを得ません。しかし、そのまま文字どおりに受け取ってしまうとハッピーエンドになりませんので、強引に解釈を変えてみました。ただし戦人が紗音を殺したとする解釈は、エリカが探偵であるというクドイくらいの主張、及び戦人くんは犯人ではありませんよというEP5の赤字によって、言葉通りの意味でない可能性のほうが高いとは思います。「殺したようなものだと解釈できる状況である」ということだと思わせてくれていることが、唯一救いです。
そして最後にベルンは、億、兆、京にも届く無数の猫たちが一斉に襲いかかるシーンをもって、ウィルと理御を追い詰めます。これは六軒島の爆弾での爆死を表しています。戦人も紗音も生きてたとしたって、どうせ結局は爆死したんでしょう?という縁寿の解釈を描写したものです。
しかしEP8で、ラムダが助けたことが明らかになります。これは「私が助けたってより、ベルンがあんたたちを殺し損ねたって感じね」というラムダの発言とあわせて、助けとかは関係なく、二人は爆発では死ななかったという意味でしょう。
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