紗音や嘉音が持つ黄金蝶のブローチには、幾つかの特徴があります。
他人が拾っても効果がない。
譲治との縁を取り持つ魔力がこめられている。
最終的に想い人と結ばれるためには、これの魔力がないと不可能。
これらが意味するところは、黄金蝶のブローチとはあのキャッシュカードであるということを示すのではないでしょうか。
他の人が拾っても、暗証番号がなければただのプラスチック。あれを使って譲治との縁を取り持ったとは、カネを使って、譲治の見合い相手を遠ざけたということではないでしょうか。またあれがなければ最終的に破綻するとは、性転換、体外受精、産婦人科をグルにするための費用がないと破綻するでしょう?という意味ではないでしょうか。
また、戸籍の意味でもカネが必要だった可能性もあります。紗音といとこ組の関係は、叔母と甥姪の関係と考えられます。まあここはかなり複雑な関係で、九羽鳥庵ベアトリーチェを蔵臼たちの異母兄妹ととらえると、紗音といとこ組はいとこ同士ともいえます。つまり、どうとらえるかによっては結婚できない関係ではないかということです。
さらに、紗音の戸籍を行政的にどうしたかにも依ります。福音の家の使用人の頃は孤児でいいのでしょうけど、次期当主の権利を与えられた段階では、孤児のままの戸籍でいたとするのは不自然な気がします。次期当主になるつもりはないとの発言を受けて、源次たちは何もしなかったのかもしれませんが、蔵臼たちに認めさせると言いきった源次の対応から、すでに戸籍を右代宮にしていたであろうことは推測可能です。
その際、どういう戸籍にしたかによっては、紗音と譲治が結婚するためには、戸籍を変える必要があります。私はそのあたりにまったく詳しくないので、戸籍を変えるやり方などは全然分からないのですが、非合法で変えるためにカネが必要だったとすれば、やはり黄金蝶のブローチであるキャッシュカードが必要になりますね。
このあたりの血縁関係というのは、さすが呪われた右代宮家というだけあって、かなりダークな関係だと疑わざるを得ません。
1984年11月29日、金蔵が紗音を犯した可能性。
楼座の正体が九羽鳥庵のベアトである可能性。
真里亜の父親が留弗夫である可能性(右代宮家初の近親相姦児になるため、金蔵はその子をベアト3世の生まれ変わりであると信じようとした、という仮説です。名前を理御とつけたかったが、楼座が真里亜と名付けてしまったため失望した、と推理可能なのでは?)。
朱志香の父親が金蔵である可能性(しかしこれは夏妃伯母さんは純潔にして貞淑だ!に違反しますが。試験管ベビーなら問題ないかも?)。
朱志香が戦人に恋している可能性。
戦人と譲治と紗音の三角関係自体。
嘉音と朱志香がお互いに恋していること自体。
縁寿が(嫌ぁあああああああああぁああああああぁああああああああああああああああぁああぁあああぁぁッ!!!)
私が一番疑っている関係は、戦人と夏妃です。本当は親子なんじゃないかと思っています。
EP7での回想、6年前戦人が右代宮家を飛び出した時、夏妃は留弗夫を激しく詰りました。ウィルの口癖は、頭痛がすらぁです。EP5で戦人と思われる人物が、電話口で夏妃のことをカアサンと発言しています。
これらを伏線と捉えて、戦人と夏妃が親子であることが事実であるとする場合、考えられるストーリーが一つあります。
明日夢は、卵巣の病気だった。子宮は問題ないが、DNA的に自身の子を産めない体だった。留弗夫と霧江の関係を知っていた明日夢は、留弗夫を自分のモノにするために既成事実を作ってしまうのが一番であることを理解していた。そこにあの19年前の事件が勃発する。明日夢の母の大けがが夏妃の仕業であることを知った明日夢は、夏妃を脅迫する。そして、ばらされたくなかったら卵子を提供するように取引を持ちかけ、成立する。そして留弗夫の子を懐妊。DNA的には、留弗夫と夏妃の子である。
この解釈であれば、EP4の「右代宮戦人は、右代宮明日夢から生まれた」と「右代宮戦人は右代宮明日夢の息子ではないわ」を共に成立させることができるのではないでしょうか。明日夢が夏妃の代理母出産したということですね。
留弗夫が戦人に打ち明けたかった本当の真実は、じつはこのことだったのではないかというのが、私が疑っている考えです。
さらに掘り下げます。夏妃は明日夢の懐妊を聞き、自分の卵子が問題ないことを自覚。これで、問題があったのが蔵臼の方であると気づく。このことをプライドの高い蔵臼に言えなかった夏妃は、金蔵から病院で検査をするよう促してくれないかと相談。金蔵は、自身の精子を提供することを提案。夏妃はこれを快諾。そして朱志香を懐妊。戦人と朱志香の年の差的にも、時系列がピッタリでしょ?
EP5で語られる、金蔵との密会、及び明らかな情交の跡の証言とは、この時のことと推測できるのではないでしょうか。金蔵を籠絡し、性行為を目的とした、という意図があったわけではないので、夏妃が貞淑だとする赤字にも抵触しないのではないでしょうか。セックスしなくたって、受胎することはできますよね?
結果的に夏妃は、右代宮の最も濃い血を受け継ぎ、朱志香を出産することができたので、暗に金蔵の番として認められたという自分の存在価値を見出すことができたのではないでしょうか。EP5で語られる、本当は蔵臼を嫌悪しているという事実がありながらも、当主代行夫人というよりか、密かに現当主夫人としてのポジションを手に入れた自負を、心の支えにすることができたのでしょう。まさにこれが、心に片翼の鷲を刻むという記述の真実であるとも推測できます。嫌悪している蔵臼と今までやってこられたのも、妻としてではなく、できの悪い子を持った義母として捉えることで、心の平静を保つことに成功したのではないでしょうか。
序列関係も、これが影響している可能性もあり。朱志香が蔵臼の子ではなく金蔵の第五子(楼座の妹)になるので、夏妃の前に朱志香をもってくる外形的な理屈が必要だった。
これ以外にも疑わしい関係はありますし、もうドロドロです(二重の意味で)。事件の動機に直接関係のないところでの秘密は、ウィル曰く暴かないのが礼儀だそうなので、確定的な真実とはなりえないにせよ、疑える伏線が多いことも事実です。諸悪の根源は金蔵ですけど。
この呪われた一族は、いずれ滅びる運命だったのかもしれません。こういうのを何ていうんでしたっけ?カタストロフィ?
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