EP3の真実を推理してみましょう。
まず、晩餐の席で真里亜が手紙をもらったことについて霧江が詳しく聞かせろと発言しています。これで霧江は、この時点で他の親族たちが入手していない有益な情報を得たと考えられます。
一例ですが、真里亜に「ベアトリーチェは誰の体に憑依して現れたのかしら?」とか聞けば、ベアトの正体は分かります。
真里亜から情報を得るという行為ですが、霧江以外は誰が訪ねても「ベアトリーチェから貰った」という言質しか引き出すことができません。故にEP1,2では真里亜はいじけてしまい、以降霧江も真里亜から詳しいことを聞き出すことができなくなります。しかしこのEP3で霧江は、運よく詳しく真里亜と話す機会に恵まれます。EP1,2で自身が言っていた北風と太陽の方法で話を聞き出したのです(ウィルのような話し方で真里亜と接したということです)。
次にそれをネタに紗音を脅します。譲治君にばらすわよ。あるいは戦人くんにばらしたほうがいいかしらね?とか言ったのでしょうか。代わりに黄金をよこせ、とかそんな交渉をしたのでしょうか。このようなやりとりがあったからこそ、紗音は魔女の手紙にて、「誤解なきように。私が求めるゲームは、皆さんが碑文の謎を解けるかどうかであって、私を捕まえられるかどうかではありません。」と警告したのではないかと思います(まあ、この警告から、紗音が交渉に応じなかった可能性が高いと思われます。ただおそらく霧江は、碑文を解くことで大金を手に入れられることを確信にかえたのでしょう。碑文を解くことに専念するキッカケになったのでしょう)。
また、エヴァが碑文を解く可能性のある者で霧江の名をあげています。さらに絵羽が黄金を発見した時、扉が「開」のままになっていて、何者かがその前にここを通ったことを示す記述があります。以上の伏線から、霧江が碑文を解いて黄金を発見したと読み解けます。朝、ゲストハウスに楼座とともに留守番していると言った時に、書庫などで推理を確立させ、楼座の隙を見てゲストハウスを抜け出し、黄金を発見したのでしょう。
そして紗音から全てを譲渡された霧江は、その場で紗音を射殺。
しかしEP7のお茶会と違い、解いたのが6時以降、第一の晩が終了した後でした。そのせいで全員が寝静まっている深夜に皆殺しとはいかず、7時までにとりあえず死んだふりの使用人たちを全員殺し、残りの人たちはとりあえず無視すればいいと考えました。夜になったら抜け出して、九羽鳥庵に避難するだけでいいのです。これはEP6の密室が破られた後、エリカが殺害するという密室後殺人トリックが伏線になっています。また、先ほど霧江が紗音から全てを譲り受けたと記しましたが、紗音は第一の晩の演技に協力を要請する時、キャッシュカードをすでに親族に渡していました。おそらく、蔵臼あたりが管理していたのでしょう。その暗証番号だけ霧江に伝えたのです。
その後9時ごろの、親族たちの碑文の謎解きの検証の時に、霧江は正解のヒントを言及します。あれは、このEP内で自ら言った驕りそのものでしょう。わざわざ微小なリスクを背負うことで、勝利した時のスパイスになる。お前たちに碑文の謎が解けるものか、と。
しかし絵羽が10時ごろ碑文を解いてしまいます。しかし紗音はもう死亡しているため、現れて全てを説明するというくだりにはなりませんでした。エヴァの戴冠式は、霧江は煉獄の七杭はもちろん、黄金や家督には全く関心がないため、幻想描写でそれをやることはアンフェアではないでしょう。
その後トラブルがあって絵羽は楼座と真里亜を殺害。それに気づいた霧江は秀吉を呼び出します。絵羽が碑文を解いたかもしれないが故の殺人と読み、秀吉の殺害を決行。九羽鳥庵の存在を知る可能性のある人間を、生かしておくわけにはいきません。
まず留弗夫が秀吉を射殺したのでしょう。そして秀吉の銃を霧江は奪います。そこに絵羽が登場。秀吉を抱き寄せているところに、霧江が絵羽に向けて発砲。絵羽は倒れこみますが、銃弾ははずれていて、それを死んだと思った2人のスキを見て、絵羽は留弗夫を射殺。霧江は絶望感からほんの数秒呆然としてしまい、そのスキに絵羽は、霧江も射殺。こんな展開でしょうか。
幻想描写上でわかりやすい不自然な点は、霧江がいつ銃を手に入れたのかです。留弗夫と秀吉が煉獄の七姉妹に向けて発砲し、その後3人散り散りに逃げた後には、霧江は銃を手にしていました。これは、2人の銃声が響いた後、霧江が銃を手に入れる展開になったことを示すのでしょう。つまり、このタイミングで秀吉は射殺されたのです。
そして絵羽は、この事態を誤魔化すため、煉獄の七杭を彼らの体に埋め込んで、魔女幻想に見せかけました。
ちなみにですが、おそらくこの4人の接触時に、彼らの間で核心に迫った会話があったと考えられます。すなわち、絵羽が六軒島の地下に爆弾があることを知ったのはこの時ではないかと思うのです。逆にこの時以外に、絵羽が爆弾の存在を知る機会はないと思いますし。そしてこれ以降、絵羽の中でも、皆殺しフラグが立ったのでしょう。譲治以外を皆殺しにし、六軒島を脱出することを考え始めたのです。
しかし霧江は瀕死の状態で生きていました。しかし留弗夫を失ったのでもはや生きる意味を喪失していました。すると譲治が屋敷まで来ていて、霧江に会い何があったか、誰が紗音を殺したのか尋ねました。霧江は自分が殺したと言うと、耐えかねた譲治は霧江を殺害しようとしました。が、霧江は反射的に返り討ちにしてしまいます。
霧江を殺害しようとする譲治の行動ですが、EP8でその行動式を理解できます。自分に味方してくれた人へのどんな些細な挑戦も、一度たりとも許したことはない、でしたっけ?(EP4にて、犯人を殺すくらいなら司法に裁きを委ねるという譲治の発言がありますが、これは譲治の殺人行動を否定する伏線にはなりえません。霧江は瀕死なのですから、司法に身柄を渡すまでに死亡してしまうと判断しても不思議はないからです。なので、霧江を助けるのか、放っておいて死ぬのを見届けるのか、自身で殺すのか、などの選択肢の中から、自身で殺すという行動を選択したのだ、と私は考えました)
罪滅ぼしのために、霧江は絵羽へのメッセージとして暗証番号を書き残して死亡します。
そして秀吉も瀕死の状態で生きていました。絵羽のサポートのため南條を殺害。その後息絶えます。
*霧江が07151129と書き残したと推理しましたが、間違いであると気付かされました。霧江は何も書き残していないという赤字があるからです。
絵羽がそれをメモったことから絵羽が暗証番号を知らなかったのは確実で、知っている誰かが、第四、五、六の晩以降に書き残した、という客観的事実から、推測をし直しました。
私は、このときにこのナンバーを知っていて生きているのは、霧江だけだと思うんです。だから霧江が書き残したと勘違いしてしまったわけですが、そうするとこれを書いたのは、霧江からそれを聞いた誰かということになると思うんですね。
それは譲治だったと仮定すれば、一番自然なのかなと思いました。
秀吉だという考えには違和感を覚えます。このシーンの後、南条を殺したのは秀吉しか考えられませんので、それまで秀吉は生きていたことになります。絵羽にはそれを口頭で伝えれば済む話なので、わざわざ書き残す理由が薄いと思うわけです。
譲治が、霧江から聞いたナンバーをわざわざ書き残して死亡するまでに、どういう経緯があったのか。
まず霧江は、譲治に会ってすべてを話したんだと思います。留弗夫が死んだことにより、生きる意味をなくしたためです。その後霧江は息絶えます。譲治は紗音のいる部屋に行き、死亡を確認します。ここで譲治の心情を推測しますと、紗音を殺したのは霧江、許せないけどその人は死んでしまった、その霧江を殺したのは母の絵羽、それだけでなく楼座親子をも殺している殺人鬼で、動機はカネのため。
譲治は自分の人生の意義を、紗音中心に考えていた節があります。だからこそ紗音が死んだときには、その犯人に対する譲治なりの復讐心を、唯一の生きる支えにしたと思うんです。それすらも、霧江の死亡によって消えてしまった。さらに母の犯行が重なり、譲治の正義感からは当然母であっても糾弾したいところですが、もはやその気力も受け止める胆力すらもなくなってしまったのではないでしょうか。
暗証番号を母への最期の贈り物とし、愛する人の隣で自殺したのです。
一方絵羽は、東屋で戦人たちと一旦離れた後、一人で屋敷に向かいました。ここで戦人という探偵の視界から消えた絵羽は、再び屋敷の前で合流するまでのわずかの間、自由に行動できます。本編では、カギを開けるのに手間取っていたため、戦人たちが追いついて合流したとなっていますが、それが虚偽の演技であったとしてもいいわけですね。
絵羽はその間屋敷に入り、譲治の死体を発見したのではないでしょうか。絵羽には譲治のいる場所が推理可能だからです。紗音に会いに屋敷に向かったのだとすぐにピンと来た絵羽は、迷わず紗音の死体がある客間に向かったのです。そこで譲治の死亡を確認し、隣に銃が落ちているのを見て、絵羽は譲治が自殺したことをすぐに悟ったのでしょう。
絵羽ならば、この出来事に思考停止して感情的になるだろうことは想像できますが、そうなってしまうと推理が破綻するので、絵羽はこの後も冷静に行動したということにして下さい。譲治の自殺の事実と、ややもすると自分が犯人にされかねない状況を隠したかった絵羽は、銃を隠し、屋敷の扉をあけるのに手間取っているふりをしに戻ったのです。
絵羽が扉の血文字に気付かなかったのは、客間の中に譲治がいるはず、という思いこみで急いで部屋に入ったために、目に入らなかったのではないでしょうか。
(14’02’24追記)
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