東屋にて、譲治が紗音に婚約指輪を贈ります。だいたい4日の23時くらいの設定で、それまでに大きな出来事が起こってしまうEP4,5では、このシーンがありません。
そしてこのシーンにおいて、紗音がこの指輪をどう扱うかということなのですが、基本的には受け入れるという姿勢で一貫しています。
しかし問題なのが、譲治の目の前で指輪を左の薬指に通すという行動は、EP2とEP7のお茶会でしか表されません。これは何を意味するのでしょうか。
私はこれを、この時点で紗音のゲームが終了していることを示すものだと推理しました。
どういうことかといいますと、紗音のゲームが継続中ならば、戦人への想いが決着していない状態なので、譲治の目の前で指輪を左の薬指に通すことはできないのではないかということです。その行為は、「譲治さん。私の心はあなたで決まりです。」という意思表示になるわけですから。
たしかに、受け取った後指輪をしているという記述は他のEPでもあるのですが、譲治が認識していない以上、はっきりと譲治の目の前で通さない以上、紗音のはっきりとした意思としてとらえられないのではないでしょうか(EP6では譲治の目の前で通していないため、直後紗音がしている指輪は、銀色である記述も合わせて、次期当主の指輪である可能性もあります)。
これを前提にEP2を検証すると、22時以降の未明、東屋でのシーンの時点で紗音のゲームは終了していることになり、これより前に誰かが碑文を解いていることになります。EP2でも記した通り、楼座が解いているからなのでしょう。それを示す伏線に、東屋でのシーンはなりえるということです。
逆にいえばEP1、3、6では、このシーンの前、23時以前に碑文は解かれていないことも分かります。
問題はEP7のお茶会です。親たちが碑文を解く前に東屋でのシーンがあり、そこで紗音は指輪を左の薬指に通しています。これは大きな矛盾です。
私はこれを、親たちが碑文を解く前に、紗音のゲームが終了していると推測しました。
こうなると解ける人物は一人しかいません。戦人です。戦人が碑文を解けるのは、EP5で証明済みです。時間も22時30分くらいと、親たちが解く前、または東屋でのシーンの前であることを否定するものではありません。
この後どうなったのでしょう。紗音は喜びに満ち溢れたことでしょう。戦人が解いてくれたということは博識になったことの証明、もっと言えば、博識のままでいてくれたことの証明です。紗音との6年前の関係を忘れていなかったからこその結果であり、自分がそれを試したのは、6年前の約束を思い出してくれれば、今日結ばれることができるかもしれないと思ったからで、それが叶う条件は整いました。
戦人に会いに行き、自分がベアトリーチェの手紙の主だと告白します。さらにEP4のように、6年前の罪を思い出せと迫りました。しかしそれでも、紗音の真意が伝わらなかったのではないでしょうか。戦人にとっては、紗音が裏切って譲治と婚約までしておいて、今さらなんのつもりだということなのでしょう。この6年間紗音は悩み続けていたわけですが、戦人はそんなことは知らず、6年前の約束自体はもちろん覚えているわけですが、それがキッカケで2人の関係が崩れたということまでは分からなかったのです。
黄金やキャッシュカードの譲渡にしても、戦人は、手切れ金、または慰謝料みたいな感覚を覚えたのではないでしょうか。当然受け取りません。
結局紗音は、試合に勝って勝負に負けたといいますか、ルーレットが最高の目を出したにもかかわらず、自分の願いが叶わなかったのです。そんな状態だから、親たちが碑文を解いた後の姿を見せた時には、無気力状態だったのではないでしょうか。こんなゲーム、やるだけ無駄だったというわけです。
そして譲治との東屋での逢瀬は、この出来事を経ての行動だったとすれば、見方も少し変わってくるのではないでしょうか。
EP7のお茶会は六軒島事件の真実をほぼ表しています。事件当時も、戦人は碑文を解いていたのですね。これはつまり、戦人に対して碑文を解くための伏線を、用意する必要がないことを表しています。記憶が戻れば解けるわけですから。
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