前項(暇潰しに怪死事件を振り返る)を踏まえた話です。
ココ見てないと、これ以降の話がイミフだと思うよ。
梨花の計画にて最初のトラブルだったダム計画は、中止の流れにもっていくことができました。そしてそのトドメとして、1年目の祟りを用意した。工事現場監督が殺されるという異常な事件を以って、ダム計画の中止を確定的にしたかったのです。
では、具体的に見てみましょう。
梨花「………来年の今日。…そう、昭和54年の6月の今日。ダム現場の監督が殺されます。…恐ろしい殺され方をした後、体中をバラバラに引き裂かれて捨てられてしまいます」
住人からの日々の抗議活動のプレッシャーにより、現場の作業員たちは精神的に疲弊しきっていた。そこに、綿流し祭の日に、梨花は、彼ら作業員全員に、「カチノン」を盛ったのです。それにより全員が、手加減せずに暴れまくるという状況が訪れた。幻覚剤である、「ハルミン」も混ぜたのかもしれません。
ハルミンの効果は、「一時的な自我の停止」も含んでいます。
(抜粋)
ドーパミン
不足すると無関心になり、性機能低下、運動機能の低下に
ノルアドレナリン
不足すると、無気力になり、意欲減退に
セロトニン
不足すると、感情にブレーキがきかなくなり、平常心を保てなくなる。
モノアミン仮説によれば、工事現場の作業員は、全員が上記のすべてのホルモンが不足し、枯渇している状況だという診断ができるかと思います。
日々の住民からの抗議のデモを受け続けながらの仕事、アルコールも禁止され、何も楽しみがない、ストレス解消の方法がない、そんな状況が長く続いていたのです。それにより、彼らの脳のホルモンは使い切られ、枯渇して不足してしまったのだろうことが容易に想像できます。
そんな中で、カチノンが盛られた。それにより、ドーパミンとノルアドレナリンだけが回復した。セロトニンは回復していません。感情にブレーキが効かない精神状態のままで、行動力だけが回復してしまったのです。さらにはアルコールによってその効果も倍増された。モノアミン仮説によれば、この状態はヒトが躁状態となる脳のホルモンの変化と一致しています。
それまでは、セロトニンが不足していたとしても、行動意欲そのものが衰えていますから、勢い余った行動にでることはないのです。だからこそ梨花は、祟りの日を一点に決められる。惨劇の日付が常に一定なのは、梨花にとっては、彼女がカートを盛った日こそが凶行が行われる日になると知っているからなのです。
(抜粋)
双極性障害のモノアミン仮説
うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン(ドーパミンとノルアドレナリン)の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン(セロトニン)の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された[11]。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。
日々のストレスから解放され、幻覚症状を伴ったハイテンションは、うつから躁への急激な振れとなった。アルコールが効果を増強し、日々の鬱憤を持ったまま、自我というブレーキ機能が停止したらどうなるか。
おあつらえ向きに工事現場には、シャベルなんていう凶器まで備わっているわけですね。そこで喧嘩になった。現場監督は、大石がおやっさんて言うんだから、めっちゃ年取ってます。で、それが率いている人たちは当然おやっさんよりは若いはずです。現場監督のおやっさんのほうが、若さと人数で圧倒されるに決まっています。
ブレーキが壊れた人間に凶器を持たせたら、気が済むまで殴り続けます。圭一や悟史と同じように。その殴るエモノが、バットでなくシャベルだったなら。そしてそれが多人数で一人を殴り続けたなら。
当然、その人は、自然とバラバラの遺体と化してしまうのです。
梨花はそれを予知したのです。別に梨花は、遺体の一部を持ち帰って云々の犯人の思考を読んだわけではありません。殺し終えたら、その遺体はその時点ですでにバラバラになっちゃってる可能性がかなり高いってことを読んだということです。
カケラ バラバラ殺人事件
弱音を吐く男の頬を張り倒す。……いつの間にか、リーダー格の男の形相は鬼のようになっていた…。それは、ついさっきまで監督が浮かべていた表情でもある。……何かに取り憑かれたように豹変した監督と、同じものが彼に取り憑いたのではないか……。彼らは本気でそう思った。
思えば、…その表情はデモ活動で吠え猛るこの村の住民たちと同じ形相なのだ。
デモ活動の住人と同じ形相となった彼ら。それもそのはず、梨花が同じ薬を盛っていたのですから。
これが1年目の概要ですが、実際、梨花がどうやって現場の作業員全員にカートを盛ったのかはよく分かりませんでした。不可能なことはないと思うのですが、『この方法で盛った』という具体的な伏線をみつけることができていません。アドバイス募集中です。
さて、その後主犯格の人物が入江機関によって拘束され、雛見沢症候群の診断をくだされることになります。このときこの主犯格の人物に起きていた症状、それは「急性一過性精神病」もしくは「覚醒剤精神病」だと思います。
(抜粋)
34歳女性、学生時代から交際してきた恋人に別れを告げられ、翌日から混乱状態に陥りました。会話をしていても頻繁に話題が脱線し、内容は支離滅裂です。周囲の人が自分をばかにしているように思えてならず、突然、激しく興奮して攻撃的な物言いをしたりすることもありました。DSM-5で定義される「短期精神病性障害」は、妄想や幻覚、まとまりのない発言、緊張病など異常な精神運動行動が急激に発症する障害です。激しく感情が揺れ動いたり、混乱したりするのが典型的です。急性期症状の際には、自殺行為の危険が高いとも考えられています。しかし、症状が表れる期間は短いのが特徴です。短期精神病性障害で考慮すべき薬物は、抗精神病薬とベンゾジアゼピン系の薬物です。前者を選択する際は、「ハロペリドール」などの効力価の薬物が使用されます。ただし、若年者など錐体外路系副作用の危険性が高い患者には、セロトニン-ドパミン拮抗薬の併用を考慮すべきとされています。
(抜粋)
作用機序
主にドパミン神経とノルアドレナリン神経の神経週末に作用し、シナプス間隙におけるドパミン、ノルアドレナリン量を増加させること
例 ドパミン神経終末での作用を図に示す
①②DATを介してDAと競合的にシナプス終末に取り込まれ、(このときDA取り込み阻害)交換に細胞質内遊離型DAが放出される。
③取り込み阻害によるシナプス小胞へのDA取り込み減少
④アンフェタミンは比較的強塩基のため、PH勾配の減少により、シナプス小胞内のDAが遊離
⑤ミトコンドリアのMAO阻害
アンフェタミンはDAに構造が似ているため、直接アゴニストとしても作用
NAに対しても同様の増加の作用機序が働く
薬理作用、症状
交感神経系の活性化により、血管収縮、心拍数増加、気管支拡張、瞳孔散大などが見られる。
中枢では、カテコールアミン神経系の賦活により、快感、陶酔感(報酬効果caseでもこれを求めて使っている)、覚醒作用、不安を引き起こす。
食欲低下作用もあり、満腹中枢の刺激による。この作用のため、caseではやせ薬の目的で使われている。大量では、幻覚妄想を主体とした精神病状態、錯乱、精神運動興奮
覚せい剤精神病
定義 覚せい剤依存兆候を有するか、または有していたものに生じた幻覚妄想状態を主とする精神病状態
覚せい剤の長期使用中に生じた脳障害を基盤にして発症するもの。障害により、覚せい剤が排泄されたあとでも精神病症状が遷延したり、自然再燃(フラッシュバック)を起こしたりする。放置すると症状は固定。こうなると薬剤治療への反応も悪化
主な症状は意識清明下における幻覚妄想状態 精神分裂病に見られるものと類似
原因はもちろん、殺人を犯してしまったことに対する絶望と、梨花が盛ったカート。これによって引き起こされた精神病を、入江と鷹野は、雛見沢症候群と診断したってことです。
で、その人物の脳にはたまたま異常プリオンがあった。幼少期の闇市にて人肉缶詰から感染してしまっていた。入江と鷹野は、「この人物の錯乱は、この異常プリオンが引き起こしたものに違いない」と勘違いしたってことですね。
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