3章の攻防とモノダムの最期

 

 

 

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3章も、美兎ちゃんとモノクマーズの鍔迫り合いが続きます。

まずは美兎ちゃんの打った手から見ていきましょう。キーボくんの改造です。

 

 

これは、のちに自分の健康管理のためだと釈明していましたが、大分怪しい説明です。だってそれは、機能の必要性に対しての説明にはなっても、『キーボくんにもたせた』理由の説明にはならないからです。彼女の発明能力であれば、倉庫にあるビデオカメラでなんとでもなる機能と用途だからです。ライト機能に至っては、説明すらされてませんし。

 

 

 

美兎ちゃんの本当の目的は、多分ですが2こあったのかなと思っています。2こめの理由は、4章のためのセットアップだった可能性を考えてますので、4章で解説したいと思います。ここでは1つ目の理由を説明します。それは是清くんの犯行を撮影するためだった。そう考えられるのです。

 

 

 

 

 

美兎ちゃんは当然、この才囚学園のマップを把握しています。是清くんの超高校級の研究教室が3章から使えるようになる、その危険性について十分理解していたのです。

 

是清くんはサイコキラーです。それを十分活かせる道具が研究教室にはある。それが揃ったとき、当然是清くんはそれを実行するだろうこと、3章の犯人は是清くんになるであろうことは、首謀者視点の美兎ちゃんには当然の予測がついていたのです。

 

かごのこを使っての犯行を思い返してください。それは暗闇の中で籠の中心まで移動しての犯行でしたね。この犯行をモノチッチによって撮影することはできないのです。一筋の光さえ通さない真っ暗闇での犯行だからです。だからこれをなんとかしたかった。

 

キーボくんにライト機能をもたせたのは正にこのためです。ライト機能は本人の意志で起動することもできますが、裁判での様子を見る限り、キーボくんの感情が高まったときに自動で発動する要素もあるっぽいのです。

 

 

もしその仮定が正しいのであれば、かごのこのバキッという大きな音の際にびっくりしたキーボくんの心象に反応してライトが発動することは、可能性として十分ありえることだと思います。そしてのちにその映像が写真となって皆の前に提示される。中心には是清くんがバッチリ写っている。正に犯行の決定的瞬間というやつです。これを以て3章を乗り切りたかった。そのためにキーボくんを改造したのです。

 

 

 

 

だからまあ、かごのこをやるとなった際にはキーボくんを絶対に参加させるよう美兎ちゃんは動いたハズです。ただ本編ではその前にコロシアイが起こってしまい、かごのこの犯行を特定する意味がなくなったため、美兎ちゃんはなにも動かなかったのだと思います。

 

 

そしてライト機能はお役御免。ということでその機能を美兎ちゃんは公開したものと思っています。逆に撮影機能の方は明かさず、裁判でもキーボくんに言うなと口止めまで図っていますので、その機能はまだお役御免にはなっていない、まだ用途が残っていると私は想像していて、それは4章で使うつもりだったためにまだ公開してほしくない機能だったという説明が一番スジが通るかなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美兎ちゃんの捨て台詞。

文脈上はまるで王馬くんに対して言ったように解釈されていますが、私はこれ単体で精査をしています。アンジーちゃんを殺したのが是清くんだということを、モノチッチによってすでに判明しているのでしょう。にもかかわらず重ねて犯行を犯した是清くんに対し、クレイジー野郎め、という意味で是清くんに対して呟いたのです。

 

 

 

 

 

 

そしてやはり3章学級裁判でも、美兎ちゃんはクロを是清くんに絞りきっている様子が描写されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対してモノクマーズの手を見てみましょう。

「動機」転校生です。

 

 

この死者蘇生うんぬんの説明って、「動機」として紹介されていることに違和感を感じませんでしょうか。これまでのシリーズ、また本編1章2章も含めて、これまでの「動機」の役割はとても理解しやすいものでした。

 

1章の時間制限

→時間内に殺さなかったら皆殺すから、早くコロシアイしてね♪

2章の動機ビデオ

→こんな背景あるんでしょ、早くコロシアイして外出ないと大変だよ~早くコロシアイしてね♪

 

こんなカンジで説明つきますよね。

ところが3章はなんなんでしょう?今までに死んだ人生き返らせられるよ、だから早くコロシアイしてね♪(???)

 

前後で意味がつながってないですよね。なんで転校生が殺人の動機につながるのですか?どうやったらつなげられるのですか?

 

 

(※余談)これ、つむぎちゃんを首謀者においていると説明可能な動機ではあります。天海くん蘇生されると、つむぎちゃんにのみ非常に不都合ですよね。後ろからぶん殴ってるんですから、そのこと証言されるだけでまず赤松ちゃんの無罪が確定します。さらにもしぶん殴られた瞬間のつむぎちゃんの姿を目視されていたら、そこで試合終了です。なのでつむぎちゃんにとって天海くん蘇生は絶対にさせてはならない行為になります。となると、つむぎちゃんには蘇生が行われる前にアンジーちゃんを殺さなきゃならない「動機」がありますよね。つまりつむぎちゃんにとってのみ発生する動機だという意味合いになるわけです。

 

が、つむぎちゃんの行動から、このことに対する危機意識をまったく感じ取るとこができません。アンジーちゃんが蘇生する人を選ぶんですから、天海くんだけは選ばせないように誘導するとかいくらでもやりようはあったのに、何もやってないとか。。。生徒会に入会したのもそれが目的じゃないんかい。ホンマつむぎちゃんの行動からは、何一つ首謀者らしい行動が見受けられません。まあだからこそ私は、つむぎちゃんは真っ白だと強く感じているわけですけどね。上記はすべてつむぎちゃんが首謀者だとしたらという仮定のもと進めた推理でして、当然私はその前提に立っていませんので、そうなるとやはりモノクマーズの「動機」の説明がつかないという振り出しに戻ります。

 

 

 

 

 

これを説明するには、「屍者の書」というアイテムの特性について深掘りすることで見えるものがあると思っています。

 

 

 

人形が必要となっていますが、その人形も別に蝋人形じゃなくてもなんでもいいのです。例えば、死体だって立派な人形です

 

 

ですから例えば、アンジーちゃんが死んだので、アンジーちゃんの死体に使って誰に殺されたのか聞いて3章を楽に乗り切る、という使い方だってできたのです。つまりそれは、蘇生薬そのものですね。

屍者の書は、燃やして使うものです。つまり使ったら無くなるということ、1回しか使えないということですね。ということは実質はドラクエでいう「世界樹の葉」のようなものなのです。

 

 

この蘇生薬、首謀者の美兎ちゃんにとってのみ、他人にではなく自分に有効利用することができます。美兎ちゃんは万が一にも死ねない、死にたくない、そんな中でその万が一が起きてしまったときに、モノクマを使って蘇生してもらう使い方が可能なのです。屍者の書の見出しの2行目に、「クマでもできる」とちゃんと書かれてます(?が付いてますけど)。

 

 

自分が死んでしまったときの保険がかけられる。首謀者だけに許されたリヴァイヴ効果が内在する、そんなアイテムだったのです。転校生という説明をしているので気づきにくいかもしれませんが、用途は別に今までに死んだ人にしか使ってはいけないとはなっていませんからね。

 

 

こう説明されますが、ここまでに死んだ人にしか使っちゃだめとは言ってません。ここまでに死んだ人以外に使ったら、転校生として扱わないよと言ってるだけなのです。使えないわけではない。

 

 

つまりモノクマーズはこう言いたかった。

 

 

「美兎ちゃん、このアイテム欲しくない?このままだとアンジーちゃんが使ってなくなっちゃうよ?静観してていいの?」

 

 

アンジーちゃんを殺し、それが学級裁判でバレて失敗したとしても、蘇生してやり直しができる。逆に乗り切れれば卒業できる。美兎ちゃんにとってはローリスクハイリターンな賭けです。だから美兎ちゃんをアンジーちゃん殺しに誘導したかった。それがモノクマーズの意図。モノクマーズが転校生を「動機」だと言ったその意味とは、首謀者美兎ちゃんにだけ伝わる殺人の切迫性を用意したという意味だったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その意味で、モノクマーズはまずモノクマの動きを封じなければならなかった。屍者の書を管理者権限で生み出し、それを生徒たちに渡したものの、それをモノクマにこっそり攫われては元も子もありません。だからモノクマーズは3章の最初にモノクマを引退させたのです。この屍者の書を横からかっさらおうと画策したならば即座にエグイサルで撃退すると脅しをかける意味合いがあったのです。だからモノクマとしては動けなかった。美兎ちゃんが動くしかなかった。

 

 

また、モノクマーズは途中で「それぞれの動機」を配ろうとしていました。不特定多数にこのタイミングで殺人を犯してほしかった。それは犯行のタイミングで美兎ちゃんと鉢合わせしてほしかったということなのかなと思っています。

 

手順書にある人形作りは、アンジーちゃんの研究教室でされるのが当然の想定であるはずなので、その後の死者蘇生を別の場所でやる意義を見出すのが困難である以上、死者蘇生が行われるのがアンジーちゃんの研究教室であると最初から想定するのはそんなに難しい話ではありません。他でやるなら、わざわざそこに蝋人形を運ばないといけないので。

 

そしてこの死者の蘇生の手順上、ある瞬間に実行者にスキが生じます(フルオープンで行わなかった場合に限りますが)。燃やす際、一酸化炭素中毒に注意しろとの記述があるので、窓や換気扇のないアンジーちゃんの研究教室でやるとなるとドアを開け放つしかありません。だからここでアンジーちゃんの部屋の密室が解除されるのです。ですからアンジーちゃんを殺すならこのタイミング以降となるわけです。

 

 

モノクマーズがアンジーちゃんの研究教室のカギを消失させたのも、この狙いだと思われます。アンジーちゃんが狙われるタイミングを限定したかった。アンジーちゃんを殺そうと画策する者が動くのは、アンジーちゃんが密室を自ら解く瞬間以外にない。美兎ちゃんはそのタイミングでそこにいるはず。

 

そこで、別の殺人者を用意した効果により、殺人者と美兎ちゃんが鉢合わせる。予期せぬ美兎ちゃんの登場に、犯人は当然美兎ちゃんも殺すでしょう。そうして美兎ちゃんに死んでほしかった。そういうモノクマーズの罠だったのではないでしょうか。

 

まあ厳密には、その不特定多数の殺人者がアンジーちゃんを狙う(死者蘇生を実行しようとしている者を狙う)とは限らないと思うのですが、深夜徘徊禁止令とかが施行されている中なので、深夜帯に一番無防備なのは部屋のドアをフルオープンにしたアンジーちゃんだからアンジーちゃんを狙いやすいでしょ、ってことかとは思ってます。

 

 

ですが美兎ちゃんは、この誘いに乗りませんでした。屍者の書を燃やそうとしていたアンジーちゃんに対してなにか行動を起こしたような描写を拾えませんでした。結果、是清くんの魔の手も及ばなかったのですが、アンジーちゃんと是清くんの研究教室は同じ階のすぐ近くなので、屍者の書よりも是清くんを警戒したということなのかなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

是清くんが2回目の殺人を犯した後、モノクマは復活しました。その直前、モノクマーズが2回目の殺人をどう対応していいか戸惑っている様子が描写されています。これはパフォーマンスではなく本当に焦っていたと私は思っています。理由は、かごのこの転子ちゃんの殺人の犯人が、管理者サイドからは分からなかったと思われるからです。

 

 

先述のとおり、この学園には固定の監視カメラはなく、目視ではないシステムで自動でクロ判定がなされていたことが明白です。モノクマが投票結果を元にスロットを回すことで結果発表されるのですから、スロットマシンにクロ判定の答えがセットされているのも明白です。自動で判定するシステムを構築してある以上、スロットに答えをセットするときだけ手動、なんて効率悪いシステムだとはおよそ考えられませんので、スロットに答えをセットするのも自動だと考えるのが自然です。

 

という中で3章を見てみると、アンジーちゃんの死体が発見された時点でスロットには是清くんがセットされたと思われます。その後転子ちゃんが死んだ。このとき、転子ちゃん殺しのクロが、スロットに是清くんがすでにセットされていたために漏れたのではないでしょうか。暗闇での殺人なのでアナログでも犯人が分からない、システムからも漏れた、そのためモノクマーズは転子ちゃん殺しの犯人が分からなかったと思われるのです。

 

 

だから焦った。転子ちゃん殺しに対する裁判の判定自体がモノクマーズにはできなかったので、このままでは裁判自体が成り立たない状態だったのです。モノクマは第2の殺人を完無視するという対応をとりましたが、実質それしか対応方法はなかったと思います。そのアドリブが、モノクマーズには思いつかなかった。そのためにモノクマーズはモノクマに主導権を握られたのです。

 

 

モノクマが新しい校則の追加を宣言しましたね。当然モノクマが校則を追加したように見えると思います。しかし私は、首謀者美兎ちゃんの管理者権限が奪われているという前提でこれまで話してきました。美兎ちゃんのモノクマには校則を追加する権限なんてないハズなのです。ではなぜこの3章の校則の追加が可能だったのか。

 

私は3章の校則追加は自動だったというセンが有力だと思っています。殺人が重複してしまうことは、50回もやってんだから過去にも当然あったのだろうと思っています。まあスロット複数にするとか色々やりようはあるとは思うのですが、様々対応したそれらの過去の経験から、結局無視するのが一番いいという結論になっていたのではないでしょうか。

 

だから殺人が重複した際には自動で重複殺人用の校則が追加されるようシステムを組んであった。それをモノクマーズは知らなかったと思われるのです。

 

 

スクショで見せるのは難しいのですが、2章と3章の校則追加をそれぞれ比べました。2章では、モノタロウが宣言したのと同時に「校則がアップグレードされました」というメッセージが流れています。この瞬間に追加されたことが客観的にも明らかかと思います。一方で3章はモノクマの宣言後にメッセージがなく、まるでそれを誤魔化すかのように捜査ファイルの更新だけされたという状況でした。そして自由行動後にパッドを開くと追加されているのが確認できたという流れでした。

 

この違いからも、3章の追加がモノクマの手によるものであることが否定できると思います。もしモノクマが校則追加の権限があるならば、宣言と同時に効果音とメッセージがあるのが自然です。それがないということは、「やりたくてもできなかった」と捉えるのが一番しっくりくる。

 

 

この現象を、多分モノクマーズは勘違いしたのだと思っています。モノクマが校則を追加した(できた)と思ってしまったのです。モノクマから権限を奪取していてできないはずなのに。ハッキングという校則違反も防いでいるはずなのに。なぜだ。。。非常にマズい事態ですよね。このままでは美兎ちゃんの都合のいい校則が追加されてしまう。

 

 

そしてこの緊急事態に、モノクマーズは対応できなかった。それが決め手だったと私は思っています。

 

諦める、という決断になった決め手。

 

モノクマーズは、いえ、モノダムは、これが決め手でこの才囚学園の乗っ取りを諦めたのだと、私は思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

美兎ちゃんから学園長権限を奪取し、この才囚学園を乗っ取ろうと画策したのはモノダムだった。もちろん他のモノクマーズと結託してのことではあったのですが、その首謀者、主犯はモノダムだったのです。

 

その証明はカンタンです。

 

 

この校則があるからです。

他のモノクマーズは、主にモノダムによって暴力が成立しているからです。

 

 

これにより、本編中暴力を受けていないのはモノダムに限定されますので、モノダムが学園長権限をもつモノクマであることが消去法で確定します。なんか逆にモノダムだけ暴力受けてるようなイメージ持ちがちですよね。イジメだのパシリだのの証言がありますから。でも実際物語中で、その暴力が成立しているシーンは存在しないのです。モノダムが暴力を受けていると思わせたい、ミスリードということになるわけですね。

 

 

モノダムは学園長権限を奪い、モノクマと美兎ちゃんを殺すことを画策した。この才囚学園を自分の楽園にしたかったみたいなカンジでしょうかね。他のモノクマーズをデリートしていったのは、その楽園に邪魔だったからかなあ。モノキッドやモノスケです。モノタロウとモノファニーはまあいいかというカンジ。

 

 

ですがモノクマに反撃されてしまった。校則の追加ができたということは、自分だけがもっているハズの管理者権限を徐々に侵食されつつある。さらにモノタロウやモノファニーもモノクマに侵食されてしまっているようだ。

 

これを受けて、自分だけが持つ絶対的な権限が絶対的なものでなくなるのも時間の問題と思ってしまったのではないかと思います。さらにモノタロウやモノファニーもモノクマ側につく可能性が増し、そうなれば3対1になってしまう。だから諦めて、自殺した。

 

 

 

 

 

美兎ちゃん的には、狙ってやったというよりは、運が良かったということだとは思っています。ともあれ、唯一管理者権限をもつモノダムを排除することに成功した。一番厄介だった、最高権限者を消せたのです。だから即座に屍者の書を回収できた。モノタロウやモノファニーは、モノダムの計画をまったく理解していないのでしょう。モノクマはそのスキをついた。これで美兎ちゃん的に保険ができ、最高の結果となった。

 

 

そして、だから4章がチャンスだったのです。4章で美兎ちゃんが積極的に動いていったのは、モノダムを消せた上に屍者の書を得たからだった。下記は、そういう意味のセリフだったのです。

 

 

 

 

 

 

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